子どもの夢や目標を応援するための私立高校選択のポイント

実りの秋! すでに11月に入り、今年も残り2カ月。
しかし、私の住む福岡では連日の夏日で、まだまだ半袖で過ごすことができる日々が続いている。

季節は秋のような夏のような、変わった気候が続いているが、受験生の時間は刻一刻と過ぎている。秋の実力テストも終わり、期末テストが近づき、私立高校選びのシーズンが迫ってきた。

今回は、通常の私立高校選びの視点とは異なり、子どもたちが自らの明確な夢や目標を持っている場合の私立高校選択に焦点を当てたい。

一般的に、私立高校の選考基準は実力テストの結果や2学期の暫定的な内申点で決まるが、子どもたちが自らの進路に明確な希望や夢を持っている場合、どのような選択基準を持つべきか考えてみたい。

通常の私立高校であれば、偏差値や内申点などの「数字」が選択基準として使われることが多い。しかし、子どもたち自身が特定の分野に興味を持つ場合、特に、美容や芸術、IT分野に特化した高校は、通常の「偏差値」がないことが多い。

勉強以外の分野に興味を持った生徒が集まる学校であるため、「学力の数値」が重要でないからだ。しかし、一般的な見解として、「偏差値がない学校=恥ずかしい」という大人のイメージが、子どもたちの進路選択を制約することがある。

私は「やりたいことがなければ勉強をして学力をつけた方がよい。」と思っている。しかしながら、本当にやりたいことがある子どもたちにとっては、専門の知識を身につけられる環境が最善だ。彼らには「若さという武器」があるからだ。

私は30歳を過ぎてサックスを始め、40歳を過ぎてタップダンスを始めた。タップダンスは娘と同時期くらいに始めたが、娘はどんどん技術を習得し、私をすでに置いて行ってしまっている。ほかにも中学生がレッスンに通っており、彼女らの吸収力は驚くほど速い。

音楽の世界でも同じことが言える。私の息子は大学で吹奏楽部に入っている。当然初心者の学生もいるが、入部から半年後の彼らは素晴らしい音で演奏をする。才能の有無もあるかもしれないが、何事も若いうちから習得することが重要だと思う。

時代が進むなかで、弟子入りや丁稚奉公が少なくなってきたが、技術を高める高校も増えている。私の塾からも、メイクやダンスが学べる高校の卒業資格が取れる専門学校に進学した生徒たちがいる。彼らに共通していえるのは、親が理解を示しており、学校の偏差値や一般的な評判にとらわれず、子どもたちの志向を全力で応援していたということだ。しかし、これを実行することは容易なことではない。

親として、人生の先輩として「もしも嫌になって学校を辞めてしまったら先がないかもしれない。」という心配から、全面的な支援ができないということもある。

そんな心配を少しずつ払拭するためには、一緒に資料請求をして、お互いが納得できるまで話し合う時間を取ったり、オープンスクールや説明会に参加したりするとよいと思う。特にオープンスクールは、個別相談の機会を設けている学校が多いので、不安な点があれば積極的に質問することで安心感を得られる。

また、文化祭や体育祭に参加することもおススメだ。そこでは実際の生徒の姿を見ることができるため、受験生は入学後の高校生活をリアルにイメージすることができる。リアルなイメージを落とし込むことで理想と現実の乖離を埋めることもできる。

このような過程を踏みながら、子どもたちと夢や目標を握り合い、子どもたちを全力で応援する大人であってほしい。そして何よりも、自分の子供を信じてあげられる親でいてほしい。そこさえあれば、子どもたちは夢の現実とともにしっかりと成長していくだろう。

この記事を書いたひと

松本 正美
(まつもと まさみ)

「学ぶ力は、夢を叶える力!」松島修楽館代表。中学3年生の時に「将来は塾の先生になる!」と決意し、大学1年生から大手個別指導塾で教務に就く。卒業後、そのまま室長として10年間勤務。その後、新興のインターネット予備校で生徒サポートの仕事に携わった後、2013年に松島修楽館を開業。単なるテストのための勉強だけではなく、「どんな夢でも、正しい努力によって叶えることができる」ということを子どもたちに伝えるため、根本的な「学ぶ力」を育むことを重視した指導を行っている。2人の高校生の母。趣味はサックス、タップダンス。