コロナにて内憂外患こもごも至る 小中学校のオンライン対策は大丈夫?

年末年始、テレビをつけてもネットを見ても、新型コロナウイルス感染症拡大のニュースばかりであった。実際、本当に生活圏内まで新型コロナウイルス感染症の危険が忍び寄っている。とはいえ、受験に「待った!」はないので、私の塾では冬期講習を行っている。

子供たちからは「寒いよ~」と言われながらではあるが、窓・ドア全開で学習をしている。つい先日も子供たちが通う中学校で感染者が出たばかりだ。今回、こちらの学校では休校はナシだったが、調べていくと近隣の学校では休校もあったようだった。

12月中旬、市を挙げて小中学校でオンライン授業が行われたが、子供たちの反応はイマイチ。「なんか、先生が勝手に喋っていた」という生徒もいれば、「数学の時間に先生がアンケートを取って、実際にそれを使って相対度数を出してみた」という生徒もいた。体育があったクラスもあって、学校によって中身はまちまち。もっと言えば担当の先生によってかなり差があった。

かなり大勢の感染者が出てしまった小学校では2週間ほど休校だったようで、その間オンライン授業も行われたようだった。話を聞いてみると中身は散々なようだった。子供たちは授業そっちのけでお友達の顔を見に行ったり、どうでも良いコメントを書いてみたりと、授業と言える授業は展開されなかったようだ。休校明け、学校からのお手紙には「オンライン授業のマナーがなっていない!」とお叱りもあったそうな。

それもそのはず、オンライン授業の受け方も知らなければ、授業をする側の創意工夫もないのだから。もちろん、急な休校であることには変わりないが、春から秋~冬にかけて教材研究もできたはず。準備や研究の時間はあったはずだ。それなのに子供たちに一方的に「マナーがなっておらん! けしからん!!」と怒るのはお門違いな話である。

さらにはオンラインがあっただけマシなようで、プリントだけ配布して休校という学校もあったようだ。新型コロナウイルス感染症における休校中の措置は、学校によってかなり差が見られる。校長の裁量にかかっているようだと痛感。公教育でこんなに差があって大丈夫なのか? 学校・・・大丈夫?

昨年春の第1波と言われたときと大きく異なるのは、学校での感染者の増加やクラスターの発生だ。第1波のときは学校で感染者が出ようものなら大騒ぎであったが、いまは「そうだろうね・・・これだけ増えれば・・・」といった具合で驚きも少ない。

変異種も確認されたいま、状況がさらに悪くなることも考えられる。文部科学省は一斉休校はしないと最近のニュースで言っていた。ただ、休校はしなくとも「オンライン」に切り替える必要が出てくることは必須だ。

特に小学校低学年のオンライン授業研究はしっかり行って欲しいと思う。実際に小学生のオンライン授業を休校中に行ったが、1対2でも成果が出なかった。「学校は何もしてくれない!」と声高らかに責め立てるのは簡単なのだが、本当に画面越しの子供たちの指導は難しい。かなり人数を絞って、普段からコミュニケーションを取っている相手も難しかった。大人数でしかも学年が下がれば下がるほど、想像もしたくないくらいオンライン授業は難しいと思う。課題はてんこ盛りだと思う。

私の場合は個人塾なので、4年生以上からの受け入れだが、公的な学校は1年生から勉強をさせなければならない。「低学年はオンラインなし!」という選択もあり得ない。そんなことでもしたら子供たちの学力格差はさらに広がり、収拾がつかなくなるだろう。それは学校の先生もわかってはいるはずで、もどかしい思いをしているのかもしれない。

もっと私的教育と公的教育が手を取り合えると良いな、と素直に思う。それほどまでに子供たちを取り巻く教育環境の変化は大きなものなのだ。

この記事を書いたひと

松本 正美
(まつもと まさみ)

「学ぶ力は、夢を叶える力!」松島修楽館代表。中学3年生の時に「将来は塾の先生になる!」と決意し、大学1年生から大手個別指導塾で教務に就く。卒業後、そのまま室長として10年間勤務。その後、新興のインターネット予備校で生徒サポートの仕事に携わった後、2013年に松島修楽館を開業。単なるテストのための勉強だけではなく、「どんな夢でも、正しい努力によって叶えることができる」ということを子どもたちに伝えるため、根本的な「学ぶ力」を育むことを重視した指導を行っている。2人の高校生の母。趣味はサックス、タップダンス。