【不登校という選択】令和3年度、不登校児童生徒数が増加。専門家に相談するメリットは?

文部科学省が令和4年10月に発表した不登校児童生徒の調査によると、令和3年度に小・中学校に在籍している児童生徒数は9,529,152人。そのうち2.57%を占める244,940人の児童生徒が不登校となっていて、9年連続で増加しています。

令和3年度 不登校児童生徒数
不登校児童生徒数の推移

文部科学省は、不登校の定義を次のように定めています。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者 

(文部科学省 「不登校の現状に関する認識」)

長期欠席している児童生徒のうち「不登校」と回答した児童生徒全員に主たる原因を1つ選択してもらったところ、小学校では「無気力、不安」が49.7%ともっとも多く、ついで「親子の関わり方」が13.2%、「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が13.1%と続きます。一方、中学校では「無気力、不安」が49.7%、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が11.5%、「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が11%と続いています。

不登校の理由
不登校の要因

不登校について専門家に相談するメリットとは?

政府は、不登校児童生徒の支援として、「学校に通う」という結果のみを目標としていません。そして「不登校」という時期が子どもにとって休養や自分を見つめ直す期間である可能性を認めています。

その一方で、「不登校には学業の遅れや進路選択上の不利益や社会自立へのリスクが存在することに留意すること」と全国の自治体・教育委員会に通知しています。

子どもが不登校になったとき、保護者はどうすればいいのでしょうか…。

以前に比べると、「不登校」について相談する場所が増えています。
しかし、相談する場所が増えた分、逆にどこに相談すればいいのかわからないという状態になっている保護者もいるようです。

文部科学省が令和3年度について行った調査によると、子どもが不登校となったとき学校内外の機関に相談・指導等を受けた不登校児童生徒は約15万6000人で、不登校児童生徒の63.7%を占めています。

不登校児童生徒が相談・指導を受けた状況
不登校児童生徒が学校内外で相談・指導を受けた状況

不登校について専門家に相談することでどのようなメリットがあるのでしょうか…。

まず、専門家に相談することで、これまでの事例や効果的な対応などの知識やノウハウを教えてもらえます。

そして、不登校児童生徒が学業に後れないようにするために、あるいは進路を考えたときや自立しようとしたときのリスクにつながらないようにするためのアドバイスがもらえます。

専門家に相談することで、たとえば、次のような方法があることを教えてもらえます。

専門家によるアドバイス(例)

  • 遅刻や早退をしながら、毎日でなくてもいいので教室に登校する
  • 保健室登校など、教室以外の場所に登校する
  • オンラインで授業を受ける
  • 教育センターやフリースクールなど学校以外の施設に通う

また、子どもが不登校になってしまったとき、「自分の育て方が間違っていたのではないか」など、保護者自身が不安を抱え、それがストレスにつながってしまうことが少なくありません。しかし、専門家に相談することで、客観的な話を聞くことができ、不安が解消できたり、減少したりするかもしれません。

さらに、教育支援センターなどの学校外の施設に相談した場合には、その相談場所自体が子どもの居場所につながることがあります。

「どこにも所属していない」という状態は、保護者が思っている以上に子どもに孤独を与えている可能性があります。「学校の代わりに行く場所がある」というだけで、子どもの孤独感が解消されるかもしれません。

不登校児童生徒への支援を行っている施設とは?

それでは、どこに相談すればいいのでしょうか。
現在、学校以外で不登校児童生徒の支援を行っている施設には次のような場所があります。

不登校児童生徒を支援している施設とは…

  • 児童相談所(児童相談センター、児童家庭支援センター)
  • 教育支援センター
  • 引きこもり地域支援センター
  • 発達障害支援センター

さいごに

文部科学省から、令和3年度の不登校児童生徒は244,940人という発表がありました。前年度と比べて約4万8000人増えています。不登校児童生徒が9年連続で増加したことを、文部科学省は、コロナ禍において生活のリズムが乱れやすい状況にあり、さらに学校行事に制限があるなかで交友関係が築きにくいなど、登校する意欲が湧きにくい状況にあったことも関係すると考えています。

そして、不登校対策として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーをさらに充実させること、教育支援センターを中核とした民間団体等との連携促進、サポートを必要とする人を専門機関で「待つ」のではなく、地域や生活の場へ「会いに行って」ケアするアウトリーチ型の支援を目指すとしています。

koedoでは、今後も不登校児童生徒への取り組みを注視していくとともに、不登校について相談する場所のさらなる調査を進めていきたいと考えています。

(koedo事業部)

【参考】