【小学生へのスマホの普及】スマホデビュー時期は小学生が14.2%、保護者が行っている取り組みは?
近年、スマホを持ち始める年齢が、低年齢化しています。
内閣府の調査によると、10歳以上の小学生がインターネットを利用するときにスマホを使用する割合は、平成28年度時点では約22%でしたが、令和3年度には約53%となっており、小学生の約半数がスマホでインターネットを利用していることがわかります。
キッズ携帯・スマホを始めて所有する年齢は…?
実際にスマホを持ち始める年齢は何歳くらいなのでしょうか。
モバイル社会研究所が、2019年から2021年にかけて関東1都6県に住む小中学生のキッズ携帯およびスマホを持ち始めた時期を調査しています。
それによると、調査を開始した2019年には女の子の方が早くキッズ携帯を持ち始める傾向にありましたが、2021年の段階では男女差がほぼなくなっていることがわかります。
また、2019年の段階ではキッズ携帯を持ち始める時期は、全体で約9.1歳でしたが、2021年には全体で約8.1歳と、2年間で約1歳も低年齢化しています。
さらに、モバイル社会研究所の調査ではスマホを持ち始める時期も低年齢化していることがわかります。
2019年の段階では、スマホを持ち始める時期は全体で約11.3歳でしたが、2021年には全体で約10.6歳となっており、2年間で約0.7歳低年齢化しています。
スマホを持たせるようになったきっかけは…?
それでは、子どもにスマホを持たせようと思ったきっかけはどこにあったのでしょうか。
MMD研究所が、2021年以降に初めてスマホを持った子どもがいる親1000人に対して「スマホを持つ子どもと親のスマートフォン意識調査」を行っています。
この調査によると、スマホデビュー時期は小学生が14.2%、中学生が11.2%となっています。特に中学生になる前と中学生になったとき、もしくは高校生になる前にスマホを持たせる割合が増えています。
これを、小学校・中学校・高校に分けてまとめてみると、スマホデビュー時期は小学生が51.6%と最も多く、2019年に調査を行ったときと比較すると11.5ポイント増加しています。
また、同調査で複数回答可能な「子どもにスマホを持たせても良いと思った理由」という質問に対し、「子どもが持ちたいと言い出したから」が23.8%と最も多く、「周りの子どもがスマホを持つようになったから」が21.7%と続いています。
その一方で、「塾や習い事をはじめるから」「子どもの帰宅が遅くなることが多いから」「事件・事故など世の中の出来事に不安を感じるから」など、子どもの安全を守るためにスマホを持たせても良いと考えている親が多いこともわかりました。
また、「子どもにスマホを持たせても良いと思った理由」を小中高別に見てみると、最も多かった回答は小学生が「子どもがスマホを持ちたいと言い出したから」が22.2%、中学生が同じく「子どもがスマホを持ちたいと言い出したから」で28.4%、高校生が「子どもが学校に入学するから」が40.6%となり、年齢によりスマホを持たせた理由が違うことがわかります。
インターネット利用に関する保護者の取り組み
子どものスマホ所持率が増えると同時に、インターネットを使う子どもも増えています。
令和3年11月に内閣府が行った調査によると、1歳を過ぎたあたりからインターネットを利用する子どもが増え、8歳を過ぎると90%以上の子どもがインターネットを利用していることがわかります。
では、インターネット利用に対し、保護者はどんな取り組みを行っているのでしょうか。同調査によると、インターネットを利用するにあたり、86.5%の保護者が「子どものネット利用を管理している」と回答しています。
実際に行っている取り組みは「フィルタリングの利用」が44.5%、「利用してもよい時間や場所を決めている」が39.1%、「対象年齢にあったサービスやアプリを使わせている」が38.1%となっています。
フィルタリングを利用している保護者は5割以下ですが、「フィルタリングの認知」についての質問に対し、「知っていいた」が59.6%、「なんとなく知っていた」が35.5%と95%以上の保護者がフィルタリングを認知していると回答しています。
さいごに
さまざまな機関が行っている調査により、子どものスマホの所持率、インターネットの利用率が増加傾向にあることがわかりました。
また、子どもにスマホを持たせるようになった理由に、「子どもがほしいと言ったから」「周りの子どもが持ち始めたから」という理由がある一方で、帰りが遅くなったときや事件・事故にあったときのためなど、子どもの安全を守るためにスマホを持たせるようになった親がいることもわかりました。
ただ、子どものスマホ所持率が増えるにつれ、SNSによるいじめや危険サイトへのアクセスが増えています。
koedoでは、今後も子どものスマホ所持率を定点観測するとともに、小学生がスマホを持つことによる危険などについても調べていきたいと考えています。
koedo事業部
【参考】