教育DX 現在の取り組みは? ーDXとデジタル化の違いー

2022年4月15日

多くの企業がDX化を進めるなか、教育現場においても、文部科学省の主導でDX化が進められています。

ところで、「DX」とは何の略でしょうか。

DXとは「Digital Transformation」の略で、直訳すると「デジタル変革」という意味です。つまりDXとは、デジタル技術を浸透させることで、人々の生活を改善することを言います。

英語圏において、「Trans」を「X」と略すことが一般的なため、日本においても「Digital Transformation」を「DX」と略しています。

DXとデジタル化の違い

DXとデジタル化の違いはなんでしょうか。

DXとは、ただデジタル化を進めればいいというわけではありません。
たとえば授業中に配布していたプリントをタブレット等で見られるようにする。

これは「デジタル化」です。

簡単に言えば、これまであったものをオンラインで行うことがデジタル化です。

つまり、オンライン授業やデジタル教科書は、これまでもあったものをオンライン上で行っているだけなのでDXではなくてデジタル化にあたります。

デジタル化はDXの第一段階と言えます。

一方、DXとはデジタル化を「手段」として、これまでなかったサービスやワークフローをオンラインで実現していくことを言います。

たとえばICTを活用して児童・生徒一人ひとりの理解度に合わせた学習システムを導入します。学習システムをデジタル化することで学習履歴が分析され、苦手分野やつまずきやすい分野を見えてくるようになるため、効率的に学習できるようになります。

これが「DX」です。

GIGAスクール構想、現在の状況ー令和4年2月現在―

教育現場でDXを進めるためには、まず児童・生徒に1人1台の端末が配布されていることが大前提です。

コロナ禍において、政府主導の「GIGAスクール構想」が前倒しで進められた結果、令和3年度末までに全国の98.5%の公立小中学校において、1人1台の端末が配布される見込みです。

また、文部科学省の調査によると令和4年1月の時点で、全国の小中学校等の95.2%が端末の持ち帰りの準備が整っていると回答しています。

端末の貸し出し準備状況(令和4年1月時点)
非常時の端末持ち帰り学習の準備状況(令和4年1月末時点)

教育DXの目的は? ―現在の取り組み―

教育DXの目的は、「個別最適な学びの実現」です。

これまで日本の教育は、全員が同じレベルに達することを目指し、どの子どもにも同じアプローチ方法で勉強を教えてきました。

しかし、現在、日本の教育方針は、「児童・生徒一人ひとりの能力を最大限に生かす教育」に変化しています。

文部科学省は、現在、教育現場のDXを進めるために、次のような取り組みを行っています。

教育DXのための取り組み

  • 発達段階に応じて対面指導と遠隔・オンライン教育を使いこなすことで、一人ひとりに最適な学びと協働的な学びの実現。
  • 学習者用デジタル教科書を令和6年度に本格導入する。
  • 学校・家庭において学習・アセスメントができるオンライン学習システム(CBTシステム)を希望する全国の小・中・高等学校で活用できるようシステム改善・拡充、分析、フィードバック等を行う。

実際に教育現場でDX化が進むことで、次のようなことが実現します。

個別最適な学びの実現 ―指導の個別化と学習の個性化―

教育現場のDX化を進めることで、児童・生徒一人ひとりの学習データが蓄積されていきます。その膨大なデータを分析することで学習効果を向上させるための要因等が判明し、一人ひとりに最適な指導が可能となります。

また、教師が気になる児童・生徒の状況をデータとして残すことで、よりきめ細やかなサポートも可能になります。

取組例
データを連携して活用する取組(大阪市)

遠隔・オンライン教育の普及・進展

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、多くの教育機関において遠隔・オンライン教育が導入されています。令和2年3月に緊急事態宣言が発出された際には、約9割の大学等がオンライン授業を実施していました。

オンライン授業のメリットとして学生からは、自分のペースで学習しやすい、国内外の他大学の授業を受講できたといった意見がありました。

今後、DX化が進むことで遠隔・オンライン教育がさらに進展し、場所を選ばない学習環境の構築が可能となります。

業務負担の軽減 ―オンライン学習システム(CBTシステム)の利用―

いま、文部科学省は、小・中・高等学校等の子どもの学びの保障の観点から、児童・生徒が学校や家庭において、学習やアセスメントができるCBTシステムの導入を進めています。

CBTシステムとは、Computer Based Testingの略で、国や自治体等の公的機関等が作成した問題を活用できる「デジタルならでは」の学びの実現を目指すシステムのことです。

CBTシステム(イメージ図)
「CBTシステム」イメージ

このCBTシステムの導入により、採点が基本的に自動採点されるため作業負担が軽減。また、学習の進捗状況が把握しやすくなるため一人ひとりに対応したサポートができるようになります。

さいごに

教育現場のDX化は、まだ始まったばかりです。

すでに教師側の知識不足や経験不足などが課題となっています。しかも、まだ把握できていない課題が、これから少しずつ浮かびあがるかもしれません。

koedoでは、今後も教育現場のDX化がどう進展していくのか観測していきたいと考えています。

koedo事業部

■参考