約7割の高校生が学校で「リテラシー教育」を経験、インターネットに潜むリスクとは?

2024年1月30日

スマートフォン所有率は年々低年齢化しており、内閣府の調査によると令和4年度10歳以上の小学生の64%がスマートフォン所有していることが分かりました。また、政府が主導する「GIGAスクール構想」により、全国の小学生・中学生に対し端末が1人1台配布されているなど、現在の子どもたちは、日常的にインターネットに触れる機会が増えています。

インターネットに潜むリスク

インターネットを利用する際には、さまざまなリスクを考慮する必要があります。

総務省では、利用するうえで気を付けるべきリスクとして、次の7つを挙げています。

インターネットに潜むリスク

  • 法や条例に触れる利用のリスク
  • 情報を発信する際のリスク
  • 情報を受信する際のリスク
  • コミュニケーションのリスク
  • 売買など取引の際のリスク
  • プライバシー関連のリスク
  • セキュリティ関連のリスク

法や条例は、大人でもしっかりと把握している人はめったにいません。しかし、「知らなかった」という言い訳は通用しません。

たとえば、SNS等でひぼう中傷や悪口を書き込む行為は、事実であったとしても利用規約違反にあたり、場合によっては刑事事件として扱われる可能性があります。また、未加工の写真を投稿する場合には、その写真に写っている人全員に公開していいかどうか許可を得る必要があります。

「もしかしたらNGかな?」という感覚は、意外と当たっていることがあります。気になったときには自分自身で調べてみることも大切です。

インターネット上の危険・脅威に対応するための能力や現状

総務省は、インターネット上の危険・脅威に対応するための能力や現状等を可視化するために、平成24年度から毎年高校1年生を対象にILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)および、アンケート調査を行っています。

令和4年度は全国の100校の国公立・私立の高等学校等において、計15,333名を対象に実施されました。

その結果、ILASの全体の正答率は71.1%で過去7年の平均(69.5%)を上回っていることが分かりました。男女別の正答率では男子が69.6%、女子が72.8%と女子の正答率が男子を上回っています。

ILAS調査結果
2022年度ILASの結果/総務省(最終閲覧日:2024.1.29)

項目別に見てみると、著作権・肖像権・出会い系サイト等の違法情報リスクは昨年度よりも正答率が下がっていますが、そのほかの項目はすべて昨年度を上回っていることが分かります。

また、7年前と比較すると「ID・パスワード、ウィルス等のセキュリティリスク」は4.9ポイント、「フィッシング、ネット上の売買等の不適正取引リスク」は3.2ポイント上昇しています。一方、「過大消費、依存、歩きスマホ、マナー等の不適切利用リスク」は7年前より2.7ポイント減少していることが分かりました。

家庭内でのルールの有無、ルール内容は?

ILASと同時に行われたアンケートにおいて、スマートフォンやSNSを利用するに当たり、家庭内でルールを決めているかどうかを質問したところ、「ある」と回答したのは全体で38%。男女別に比較すると男子が32.1%であるのに対し、女子が44.4%と女性の方が家庭内でルールが決められていることが分かりました。

また、複数回答可能で「家庭内のルール」について質問したところ、「発信情報の制限」が53.2%でもっとも多く、「情報公開の制限」が40.9%と続いています。

2022年度ILAS調査結果
青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果/総務省(最終閲覧日:2024.1.29)

インターネットを使い始めた時期は?

いまの高校生は、幼少期からタブレットやスマートフォンに触れていますが、プライベートな目的で自由にインターネットを使いはじめたのはいつごろで、だれに教えてもらったのでしょうか。

今回の調査によると、インターネットを自由に使い始めたのは全体の27.1%が「中学1年生」ともっとも多い一方で、全体の43.2%は「中学入学前」と回答しています。つまり、約7割の高校生が中学入学前から中学1年生ごろにプライベートで自由にインターネットを使い始めていることが分かりました。

また、インターネット利用開始時に使い方を教えてくれた人についての質問では、全体の48.3%が「保護者」と回答、「誰にも教わらなかった/特に調べなかった」が21/%と続いています。

インターネット利用調査
青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果/総務省(最終閲覧日:2024.1.29)

高校生へのリテラシー教育

高校生へのリテラシー教育はどうなっているのでしょうか?

複数回答可能な「インターネットの危険について教えられた経験」について質問したところ、73.8%が「通常の授業」、61.6%が「特別の授業」と回答しており、「教えてもらったことがない」と回答した生徒は約2%に留まりました。

また、複数回答可能な「授業で教えられた内容」についての質問では、「ネットいじめ(92.7%)」がもっとも多く、「個人情報・プライバシー(89.1%)」が続いています。また、7割前後の生徒が「著作権・肖像権」「なりすまし」「ネット詐欺」などについてリテラシー教育を受けていることが分かりました。

インターネット利用調査
青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果/総務省(最終閲覧日:2024.1.29)

フィルタリング利用状況

有害なサイトや不適切なサイトから子どもを守る機能として「フィルタリング」があります。

インターネット利用開始時期と現在のフィルタリング利用状況には、どのような関連があるのでしょうか。

今回行われたアンケートによると、小学6年生以下でインターネットを利用し始めた場合は4割前後、中学生になってから利用し始めた場合は4割から5割の子どもがフィルタリングを利用しており、利用開始時期が遅くなるほどフィルタリングの利用率が高くなっていることが判明しました。

インターネット利用調査
青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果/総務省(最終閲覧日:2024.1.29)

さいごに

スマートフォンを持ち始める時期が年々低年齢化しているなかで、7割以上の高校生が通常授業でリテラシー教育を受けており、ネットいじめ、個人情報、著作権などインターネット利用時の危険性について教えてもらっていることが分かりました。

その一方で、インターネット上の危険・脅威に対応するための能力や現状等を可視化するための調査では、正答率が7割前後であることも分かりました。

koedoでは、今後も高校生へのリテラシー教育の実態について定点観測を続けていこうと考えています。

(koedo事業部)

【参考】