IT化の進む教育現場で求められるコミュニケーションとは<Vol.4>

2021年1月14日

 前回、危険な解釈はストレスにつながるとお伝えしました。そこで今回は、「ストレスを溜め込まない方法」についてお伝えしたいと思います。

 私たちは幼いころから親や先生に「嫌でも我慢してやりなさい」と言われて育ちました。

 「嫌いな野菜も、我慢して食べなさい」

 「苦手な科目も、我慢して勉強しなさい」

 「大変なことも、我慢してやりなさい」

 そして、何度も何度も「我慢」を繰り返しているうちに、やりたくはないけれどやった方がいいと思うことを、条件反射的に我慢してやるようになってしまったのです。確かに、勉強も仕事も我慢してでも取り組めば一定の成果にはつながりますが、それはストレスとして、少しずつ確実に心に蓄積されていきます。

 厄介なことに、ストレスは放っておいても勝手には解消されません。それはやがて私たちのやる気を奪い、その結果、なんとなくイライラしたり、必要以上に疲れを感じたり、過度に委縮したりといった状態を引き起こしてしまうのです。このような状況は、当の本人だけでなく、周りの人にとっても何もいいことはありません。

 ところで、嫌なことはどうして嫌なのでしょう? 「大変だから」「難しいから」「疲れるから」など理由はいろいろとあるでしょう。みなさんはいかがですか? 

 しかし、いま一度よく考えてみてください。そもそも大変なことは、すべて嫌なことでしょうか? 学生時代の文化祭や体育祭などは、大変だったときの方が思い出に残りませんか?

 ゲームだって、簡単すぎるゲームより少し難しいゲームの方が面白いと感じるはずです。登山やスポーツなども、大変だったときの方が達成感を味わうことができ、たとえ体が疲れたとしても心は楽しいと感じるのではないでしょうか。

 このように、大変なこと、難しいこと、疲れることは必ずしも嫌なこととは限りません。つまり、これらの事実を私たちが「どう解釈するか」次第なのです。このことは私たちの環境(接するメディアや扱うツール)がアナログからデジタルに変わろうとも、おそらく変わらない真理です。

 解釈力が乏しければ、嫌なことはずっと嫌なまま我慢をしながら続けるしかありません。ではもし、セルフコミュニケーションによって解釈力を磨き、自らの意思で「嫌なこと」を「面白いこと」に変えることができたらどうでしょう?

 「嫌なこと」を、無理やり「好きなこと」に変えろと言っているのではありません。いったん、「面白い」に変えてみるのです。「クレーム処理は大変だから嫌だ」を「クレーム処理は大変だから面白い」に変えてみる。「数学は難しいから嫌いだ」を「数学は難しいから面白い」に変えてみる。

 少し強引に感じるかもしれませんが、この「面白い」という解釈は無敵ですよ。「嫌だけど我慢してやらなくてはならないこと」が面白く感じられるようになれば、もう我慢をしてやる必要がありません。何と言っても面白いわけですから、自分からやりたくてやっている感覚に変わり、ストレスが大幅に軽減するのです。

 解釈を変えるポイントは、子どものような自由な発想をしてみることです。子どもは遊びの天才ですね。みなさんも子どものころ、学校から家に帰るという単なる「移動」でさえ、勝手に「白線からはみ出たら負け」などのルールを作って遊びませんでしたか?

 もし、家に帰ることだけが目的であれば、なるべく最短距離で移動した方がいいに決まっています。その場合、遠回りをさせられたり、道に迷ってしまったりしたら、かなりのストレスを感じるでしょう。

 しかし、子どもは違います。面白がって夢中で遊んでいますから、どんなに遠回りでも、帰りが遅くなっても、ストレスなど微塵も感じていないのです。ここに、何かヒントが隠されている気がしませんか。

 例えばクレーム対応。クレームは宝の山とも言われますが、実際にクレーム対応が大好きだという人はなかなかいないでしょう。私は営業マン時代にクレーム対応を任された時期がありましたが、正直に言えば、最初のうちはもう嫌で嫌で仕方がありませんでした。

 そこで、このままではいけないと解釈を変えてみたところ、驚くほどストレスがなくなり、本当に面白くなってしまったのです。

 次回は、その解釈を紹介させていただきますので、どうぞお楽しみに。


■この記事を書いたひと
岡根 芳樹(おかね・よしき)
ソーシャル・アライアンス株式会社代表取締役社長。若かりし頃は劇団主宰、現在は絵本作家の顔を持つ、発想力豊かな異色の講師。プレゼンテーションやクロージングといったセールスのスキルやノウハウが、部下の育成、生徒の教育、子育てなどに役立つことに気づき、あらゆる分野でコミュニケーション能力の向上・育成を目指す。心理学を応用した実践型ロールプレイング、成果にこだわった人材教育には定評があり、企業研修において高いリピート率を誇る。またかねてより学校教育、子どもへの教育が重要との考えを持ち、中学校や高校、大学、学習塾などでの講演活動も精力的に行っている。YouTubeチャンネル「おかねちゃんねる」を開設。